2015年 03月 24日
しらたまくん【ヤングジャンプ連載中】 |
最近イチオシの漫画。
週刊ヤングジャンプに連載中の「しらたまくん」。最近コミックスの1巻が出た程度の連載開始時期です。
一言で言うと、「男子高校生は猫!」な学園コメディ。
普通に喋って、普通に登校して、普通に勉強する猫。それが白玉雄介。世界で初めて人権を与えられた猫、みたいな。
単純にぬこあるあるにほんわかしながら、ぬこ故に発生する問題に直面しながらも、一生懸命学校生活を楽しもうとしている白玉くんを見て、心を温める漫画です。
また、もう1人の主人公、ヒロイン? の鈴川さんが天然なのがとても分かりやすくて面白い。
デリカシーに欠けるが悪気はない鈴川さん。「猫なのに?」「その方が人間としてはいいと思うよ」など、猫だけど人間生活を送る上で生じる幾つかのジレンマに、真っ直ぐ向き合う姿勢を見せて、鈴川さんの影響で、白玉くんの方も徐々に心を開いて行きます。
実は白玉くん、中学校までは「猫である事」を理由に、微妙にクラスメイトから気を使われたり、自分から近寄って行くのをためらったり、少々心苦しい生き方をしていました。そんな白玉くんに対して、ポジティヴな言葉を常に投げかける鈴川さんのお陰で、白玉くんの高校生活はそれまでと違って華のあるものになっていきそうです。
こんな感じ。
普通に読むのであれば、猫あるあるや、人間と猫との間で微妙な立ち位置の白玉くんを見て、和んだり応援したり、そんな風に楽しめばいいと思います。
例えば、100メートル走の時、1本目は白玉くんは手を抜いて走ってしまいますが、鈴川さんの言葉によって考え方の変わった白玉くんは、全力で走って、人類的には世界新記録のタイムで駆け抜けます。その時に先生が「この記録をどうするかは考える」と言った事に対して、白玉くんが「これは校内だけの記録にしてください。でないと僕、チーターになっちゃうんで」と猫ギャグ。
こういうのを素直にぬこぬこしながら笑って読む作品です。
基本的に1話完結のエピソードが多いので、ヤングジャンプがコンビニに置いてあったら、一度立ち読みしてみてはいかがでしょうか。
さて、ここからは完全な私見ですが、この白玉くんの「猫だから」と控え目になってしまう態度と、それを乗り越えたり考えなかったりして、プラスにしていこうという流れは、もう少し一般化すると興味深い言い回しの暗喩のようになっているのではないかと思います。
猫である人間……は、さすがにいませんが、人間どこかしらコンプレックスを持っているものです。あるいは障害と言ってもいいかもしれません。そのコンプレックス・障害を抱えている事で後ろ向きにならず、むしろそれを受け入れて、時には利用するぐらいに考えてやっていこう……という励ましにも受け取れるのではないでしょうか。作者さんがそこまで考えているとは思えませんが、こういう読み方をすると、存外この「しらたまくん」という作品は、面白いだけでなく、ハートウォーミングで読者を鼓舞する話だとも考えられます。
いやいや、そんな難しい話はどうでもいいんだけどね。
猫の白玉くんが可愛くて、鈴川さんらとのやりとりが面白い漫画。
猫好きな方は、取り敢えずヤンジャン立ち読みをお勧めします。
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by tomoe-alone
| 2015-03-24 01:52
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