ひっさしぶりに出た物語シリーズのヒロイン本。第7弾はファイヤーシスターズ。
表から読むと「SIDE 姉」で、書き下ろし短編「かれんブラッシング」、キタエリのインタビューなどが載っている。
裏から逆さにして読むと「SIDE 妹」で、書き下ろし短編「つきひブラッシング」、ユカチのインタビューなどが載っている。そういう作り。
こういうのって時々ありますけど、なかなかどうして面白いですよね。ヒロイン本は1本ごとに装丁を大胆に変えてきたり、企画も変えてきたり、7冊目ですけど飽きる事はありません。
ちなみに表紙は、歯ブラシを持った火憐と、ヘアブラシを持った月火でした。月火はショートでした。
順当に表のかれんパートから読みました。
短編小説「かれんブラッシング」は、予想通りというか、案の定すぎて逆に違うかと思った時もありましたが、でもやっぱり口腔内のお話でした。語り部は火憐。続終からほぼ丸一年、そういえば物語シリーズってこんなテンションだったなと、すっかり感傷に浸ってしまいました。でも、ちょっと西尾先生やりすぎだと思いますよー。フレンチクルーラー3つで雇った助手、もとい幼女手が何でも物質を創造するとか、やりたい放題すぎる。整数と並んで、神様が創ったものとされるフレンチクルーラーと言えど、いくら何でもやりたい放題過ぎると思いました。だがそれがいい。
これは流石にアニメ化されないだろう、そう思って思いっきり変態を描いているんでしょうね。ただ、何かフラッシュバックするんですけど、以前も「ここまではアニメ化しないから」と暦が猟奇的な嗜好を見せていた作品があって、それは、アニメ化されちゃったんですよね。うーん……まさか、ね。
裏のつきひパートでは、「つきひブラッシング」の構成で思わず唸りました。
かれんブラッシングと同じ始まり方をして、同じようなやり取りも幾つかあって、そういうお遊びが好きな作者だったねと思い出しました。語り部は月火で、髪のお話。こちらもゴールデンチョコレート3つで雇った助手、もとい幼女手が物質創造能力使いまくりで、やりたい放題。もうね、暦が変態なのか西尾先生が変態なのか、火憐まではギリ許容してたけど、月火の方で少し引きました。
ああ、そう言えば、何気に「花物語」のラストシーンの伏線を回収していましたね。……という事は、今回出てきた素晴らしいアイデアは、駿河で実行されたのでしょうか。「お前は、青春をしたんだ」と、あんな格好良い台詞を言った後、何かしらのプレイがあったかもしれない!? そんな妄想をすると、全部が台無しで素敵過ぎて、最高ですね。
あと、オチの強引さが逆に良かったです。
それからキタエリと井口氏のインタビュー。
これもビックリ、打ち合わせでもしたかのように話す事がぴったり一緒なところがあって、何だこの神キャストと思わざるをえませんでした。
具体的にはファイヤーシスターズの掛け合いで、尺を巻きすぎたのを相手がフォローしてくれると話す井口氏に対して、ここを巻いたから次をたっぷり使うんだなと捉えていたキタエリとか。あの予告編、副音声のやり取りは名人芸ですよね。凄いよ、このコンビ。
で、秋に其ノ捌として、余接が出るらしいです。まあ、シスターズが出ると聞いたときから若干予想は出来てた。
ひたぎか駿河のときに、「扇ちゃんのは出ないのか?」というCMがあったのを思い出しましたけど、そんなのもういずれ出る方向で決まりっぽいですね。何なら最終的に「ヒーロー本:こよみ」が出る、まであると思います。
いや、やっぱりこの本は2人のインタビューが読み応え抜群でした。物語シリーズ1年ぶりって事で、短編も懐かしかったです。
秋アニメで終物語をやるそうですが、果たして上中下のどこからどこまでやるのか、暦物語をどうするのか、続報に期待したいですね。